「もっとゴールに向かえ」「なんでそこにいるんだ」と試合中に大声で指示を出しているコーチを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、それが本当に選手の成長につながっているかというと、必ずしもそうとはいえません。
サッカーにおける真のコーチングとは、指示を出すことではなく、選手が自分で考えてプレーできる力を育てることだと考えています。
本記事では、コーチングの種類や現場で意識したいポイント、反対にやってはいけないコーチングまで現役コーチが解説します。
【本記事でわかること】
- サッカーのコーチングは選手に考えさせる指導である
- 判断力を伸ばすには問いかけを中心とした関わりが重要である
- 選手の成長には結果より判断の過程を評価することが大切である

【この記事の編集者】
「TORIDENTE」は、関東と沖縄に校舎を展開するサッカースクールです。元Jリーガー選手や強豪校出身者、バルサアカデミー指導経験者など、実績あるコーチ陣のみが集結しています。ここでは、親御さんに役立つ情報を発信しています。
サッカーにおけるコーチングとは?
サッカーにおけるコーチングとは、選手が自分で考えてプレーできる力を引き出すための働きかけ全般のことです。試合中の声かけや練習中のフィードバック、質問を通じた気づきの促しなど、コーチが選手に関わるあらゆる場面がコーチングにあたります。
よく「指導=教えること」と思われがちですが、コーチングの本質は答えを与えることではなく、選手自身が「気づき」「考え」「判断できる」ようにサポートすることです。
ティーチングとの違い
ティーチングとは、知識や技術を持つ人が持っていない人に対して直接教える指導方法のことです。「シュートを打つときは軸足をボールの横に置く」「ドリブルのときは顔を上げる」といった技術的な説明がティーチングにあたります。
一方、コーチングは答えを教えるのではなく「なぜそのプレーを選んだのか」「次はどうすればよかったと思う?」と問いかけることで、選手自身に考えさせることを重視します。
ただし、どちらが正しいということはありません。選手の成長段階や場面によって使い分けることが大切です。特にゴールデンエイジ以降の選手には、ティーチングだけに頼らずコーチングを取り入れていくことで、自分で判断できる選手が育ちやすくなります。
現代サッカーでコーチングが重視される理由
試合中は常に状況が変化しており、監督やコーチがすべてのプレーを指示することはできません。そのため、選手一人ひとりが状況を分析し、自ら判断して行動する力が必要になります。
そこで重視されているのがコーチングです。以前は、コーチが答えを伝え、それを選手が実行する指導が一般的でした。しかし、近年は「なぜそのプレーを選んだのか」「他にどんな選択肢があったのか」といった問いかけを通じて、選手自身に考えさせる指導が増えています。
指導現場で感じますが、自分で考える習慣が身についている選手ほど、試合中の対応力が高いです。予想外の状況でも落ち着いて判断できるため、プレーの幅も広がりやすくなります。
サッカーコーチの役割
サッカーコーチには、選手が成長できる環境をつくる役割もあります。選手が自信を持って挑戦し、自ら考えながらプレーできるように導くこともコーチの大切な仕事です。
ここでは、サッカーコーチに求められる主な役割を解説します。
- 技術向上をサポートする
- サッカーを楽しめる雰囲気をつくる
- 挑戦できる環境をつくる
- 判断力を育てる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
技術向上をサポートする
サッカーコーチの役割のひとつが、選手の技術向上をサポートすることです。ドリブルやパス、シュートといった基本技術はもちろん、試合で発揮できるレベルまで習得できるように練習を設計します。ただし、コーチが一方的にやり方を教えるだけでは十分ではありません。
なぜ失敗したのか、どうすれば改善できるのかを選手自身が考えられるように働きかけることで、理解が深まりやすくなります。
サッカーを楽しめる雰囲気をつくる
育成年代では、上手くなることだけでなく「サッカーが好き」「また練習したい」と感じられることが継続や成長につながります。しかし、失敗するたびに強く叱られたり、挑戦することを否定されたりする環境では、サッカーそのものが嫌になってしまう選手も少なくありません。
私自身も指導現場で、楽しみながら取り組めている選手ほど積極的にチャレンジし、結果的に成長していく姿を多く見てきました。もちろん、楽しむことは甘やかすことではありません。選手と信頼関係を築きながら、失敗を恐れず挑戦できる雰囲気をつくることが大切です。
挑戦できる環境をつくる
サッカーコーチには、選手が積極的に挑戦できる環境をつくる役割があります。サッカーが上達する過程では、失敗は避けられません。新しい技術に挑戦したり、試合で難しいプレーを選択したりする中で、多くの失敗を経験しながら成長していきます。
しかし、失敗したことだけを厳しく指摘される環境では、選手はミスを恐れるようになり、安全なプレーばかり選ぶようになってしまいます。そのため、コーチは結果だけでなく、挑戦しようとした姿勢や考えた過程にも目を向けることが大切です。
判断力を育てる
サッカーは状況が常に変化するスポーツであり、試合中は自分で考えながらプレーを選択しなければなりません。「パスを出すのか」「ドリブルをするのか」「シュートを狙うのか」など、短い時間の中で判断する場面が何度も訪れます。
そのため、コーチがすべての答えを与えるのではなく、選手自身が考える機会をつくることが大切です。例えば「なぜそのプレーを選んだの?」「ほかに選択肢はあったかな?」といった問いかけを行うことで、選手は自分の考えを整理しながらプレーを振り返れるようになります。
サッカーにおけるコーチングの種類
サッカーのコーチングにはさまざまな手法があります。どの手法にも共通しているのは、選手に答えを与えるのではなく、自ら考えながら成長できるようにサポートすることです。
ここでは、サッカー指導でよく活用されるコーチングの種類を解説します。
- シンクロコーチング
- フリーズコーチング
- クエスチョニング
- ポジティブフィードバック
それぞれ詳しく見ていきましょう。
シンクロコーチング
シンクロコーチングとは、プレーを止めずにリアルタイムで声をかけながら指導するコーチング手法です。練習やゲームが進行している中で「周りを見てみよう」「スペースが空いているよ」「サポートに行こう」などの声かけを行い、選手の判断や行動をサポートします。
ただし、コーチが常に指示を出し続けると選手が受け身になりやすくなります。そのため、選手が自ら考える余地を残しながら声をかけることが大切です。
フリーズコーチング
フリーズコーチングとは、プレーを一度止めて、その場の状況を選手と一緒に確認しながら指導するコーチング手法です。例えば、攻撃や守備で改善したい場面があった際にプレーを止めて「今何が見えていた?」「相手はどこにいた?」などと選手に問いかけながら振り返ります。
ただし、頻繁にプレーを止めると練習のテンポが悪くなってしまいます。そのため、本当に伝えたいポイントがある場面で活用しましょう。
クエスチョニング
クエスチョニングとは、コーチが選手に質問を投げかけることで、自ら考える力や気づきを引き出すコーチング手法です。フリーズコーチングと考え方は似ています。クエスチョニングの中にフリーズコーチングがあると考えると分かりやすいでしょう。
クエスチョニングを続けることで、選手はコーチから指示を待つのではなく、自ら状況を分析して判断する習慣が身につきます。
なお「TORIDENTE」では、このクエスチョニングの考え方を大事にしています。その結果、いわゆる指示待ち人間になることなく、自分から判断して動ける選手が増えています。
ポジティブフィードバック
ポジティブフィードバックとは、選手の良かったプレーや挑戦した姿勢を認め、前向きな声かけを行うコーチング手法です。サッカーでは失敗に目が向きがちですが、良いプレーや成長した部分を伝えることで、選手は自信を持ってプレーしやすくなります。
例えば「今の判断は良かったね」「チャレンジしたことが素晴らしい」「さっきより周りが見えるようになったね」など、具体的な行動やプレーに対してフィードバックを行います。
指導現場で感じますが、良かった点を認められた選手は積極的にプレーするようになる傾向があります。もちろん、褒めることだけが目的ではありません。選手の成長につながる行動や考え方を伝えることで、何を続ければよいのかを理解してもらうことが大切です。
サッカーのコーチングで意識したいポイント
サッカーのコーチングでは、ただ声をかけるだけでは十分ではありません。選手が自ら考え、判断しながら成長できるように関わることが大切です。
ここでは、サッカーのコーチングを行う際に意識したいポイントを解説します。
- 答えを教えすぎない
- 選手が考える時間をつくる
- 結果より判断を評価する
- 選手ごとに言葉を変える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
答えを教えすぎない
サッカーのコーチングでは、すぐに答えを教えすぎないことが大切です。なぜなら、コーチから答えを与えられるだけでは、自分で考えて判断する力が身につきにくいためです。
例えば、ドリブルで相手を抜けない選手に対して「こうやって抜きなさい」と答えを伝えるのではなく、「相手はどちらの足に体重が乗っている?」などと問いかけてみましょう。選手自身が考えながら答えを見つけることで、理解が深まり、実戦でも応用しやすくなります。
もちろん、何も教えないわけではありません。選手が考えるためのヒントを与えながら、自ら気づけるようサポートすることがコーチの重要な役割です。
選手が考える時間をつくる
サッカーのコーチングでは、選手が自分で考える時間をつくることも大切です。指導中にコーチが常に話し続けていると、選手は受け身になりやすく、自ら状況を分析したり判断したりする機会が減ってしまいます。
例えば、練習を一度止めた際にすぐ答えを伝えるのではなく「今の場面ではどんな選択肢があった?」「もっと良いプレーをするためには何が必要だった?」と問いかけてみましょう。
すると選手はプレーを振り返り、自分なりの考えを整理するようになります。この積み重ねが、試合中の判断力や問題解決能力の向上につながります。選手がすぐに答えられなくても焦る必要はありません。少し待つ時間をつくることで、自ら考える習慣が身につきやすくなるでしょう。
結果より判断を評価する
サッカーのコーチングでは、プレーの結果だけでなく、その判断の過程を評価することが大切です。サッカーは相手や味方の動きによって状況が常に変化するため、良い判断をしても失敗することがあります。反対に、判断は良くなくても偶然うまくいく場合もあるでしょう。
例えば、パスを選択したものの相手にカットされてしまった場面でも、周囲を確認したうえで最適な選択肢を選んでいたのであれば、その判断自体は評価するべきです。
結果だけで評価してしまうと、選手は失敗を恐れてチャレンジしなくなったり、自分で考えることをやめたりする可能性があります。
選手ごとに言葉を変える
サッカーのコーチングでは、すべての選手に同じ伝え方をするのではなく、一人ひとりに合わせて言葉を変えることが大切です。
なぜなら、選手によって理解しやすい表現や性格、経験値が異なるためです。同じ内容を伝えていても、ある選手には伝わる一方で、別の選手にはうまく伝わらないことがあります。
例えば、感覚的な表現で理解しやすい選手には「相手を引きつけてからパスを出そう」と伝え、具体的な説明を好む選手には「相手が寄ってきたタイミングで空いた味方へパスを出そう」と伝える方が理解しやすいです。
また、自信を失っている選手には前向きな声かけを増やし、自信を持ちすぎている選手には課題を伝えるなど、性格に合わせたコミュニケーションも重要です。
TORIDENTEで実践しているコーチング
「TORIDENTE」では、コーチが一方的に答えを教えるのではなく、選手自身が考えてプレーできるようなコーチングを意識しています。例えば、ドリブルで相手にボールを奪われた場面があったとしても、すぐに「こうしなさい」と答えは伝えません。
まずは「相手はどこにいた?」「スペースはどこにあった?」「他にどんな選択肢があった?」と問いかけながら、選手自身に状況を振り返ってもらいます。
実際、保護者の方からも多くの反響をいただいています。
息子が通っていますが、本当に雰囲気の良いスクールです。コーチが親身になって関わってくれるだけでなく、子ども自身にも考えさせる指導をしてくれるので、理解が深く成長を実感できます。毎週楽しみに通っていて、意識も変わり、プレーも明らかに変わりました。成長させたい方におすすめです。
引用:Googleマップ
その場で細かい声掛けをしてくれるので、どう動いたらいいか即行動につながっているように思います!保護者対応なども親切で質問しやすいので助かってます、ありがとうございます。
引用:Googleマップ
試合や練習では正解を覚えることよりも、その場の状況を見て判断する力が求められます。そのため、TORIDENTEでは技術の指導だけでなく、自分で考えて判断し、行動する力を育てるコーチングを大切にしています。
サッカーにおいて大切なコーチングを受けたい・学びたいなら「TORIDENTE」
「TORIDENTE」では、技術を教えるだけの指導は行いません。選手自身が考え、判断し、成長できるコーチングを大切にしています。
実際の指導でも、コーチが一方的に答えを与えるのではなく、問いかけを通じて選手自身が気づきを得られるようサポートしています。そのため、技術だけでなく、試合で必要となる判断力や主体性も身につきやすい環境です。
現在、TORIDENTEでは沖縄・東京エリアを中心にサッカースクールを運営しています。シュートなどの技術向上はもちろん、試合で活躍するために必要な判断力や駆け引きも学べます。
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