お子さんのサッカーを見ていると、つい「今パスだよ!」「もっと仕掛けなきゃ!」と声をかけたくなることはありませんか。指導者として活動していると、そんな場面もよく見かけます。
しかし、良かれと思ってかけた言葉が、実は子どもの判断力や自主性を奪っているかもしれません。現場で多くの選手を見ていると、伸びる選手ほど親がプレーに口を出さず、子ども自身に考えさせる環境をつくっている傾向があります。
本記事では、サッカーで親が口出しするとどのような影響があるのか、つい口出ししてしまう理由や避けたいNG行動、子どもの成長を後押しする関わり方について詳しく解説します。
【本記事でわかること】
- サッカーで親が口出しをすると、子どもの判断力や自主性の成長を妨げる場合がある
- 親が指導者になるのではなく応援者になることで、子どもは伸びやすくなる
- 結果よりもチャレンジや努力を認める声かけが子どもの成長につながる

【この記事の編集者】
「TORIDENTE」は、関東と沖縄に校舎を展開するサッカースクールです。元Jリーガー選手や強豪校出身者、バルサアカデミー指導経験者など、実績あるコーチ陣のみが集結しています。ここでは、親御さんに役立つ情報を発信しています。
サッカーで親が口出しするとどうなる?
ある海外の研究では、親からのプレッシャーを感じた選手ほど「スポーツへの無気力」が高く、「楽しさ」が低下する傾向が確認されています。一方、自律性を尊重する関わり方(子ども自身が決める余地を与える)は、モチベーションを高めることも明らかになっています※。
親の影響力はコーチを上回るケースもあるとされているほど、影響は大きいです。実際、親が口出しすることによって、以下の影響が考えられます。
- 子どもが自分で考える力を失いやすくなる
- ピッチでの判断が遅くなる
- コーチの指導と混乱してしまう
- サッカーそのものが楽しくなくなる場合がある
どのような影響があるのか、ひとつずつ見ていきましょう。
子どもが自分で考える力を失いやすくなる
試合中に「パスしなさい」「前に運んで」などと親が毎回指示を出していると、子どもは自分で考える前に答えを待つようになります。
サッカーは、相手や味方の動きを見ながら瞬時に判断するスポーツです。そのため、子ども自身が「次はどうしよう」と考える経験を積むことが大切です。
一方で、いつも周りから答えを教えてもらっていると、自分で判断する機会が減ってしまいます。すると、親がいない場面では何を選べばよいかわからなくなる場合もあるでしょう。
ピッチでの判断が遅くなる
親から頻繁に指示を受けている子どもは、プレー中に「何をすればいいかな」と周りの声を待つ癖がついてしまう場合があります。
サッカーでは、ボールを受ける前から周囲を見て判断し、すばやく行動することが大切です。しかし、普段から親の指示に頼っていると、自分で判断するまでに時間がかかりやすくなります。
例えば、ドリブルで仕掛けるべきか、パスを出すべきか迷ったとき、自分で決断する経験が少ないとプレーが遅れてしまいます。その結果、相手にボールを奪われたり、チャンスを逃したりすることもあるかもしれません。
コーチの指導と混乱してしまう
親とコーチがそれぞれ違うことを伝えてしまうと、子どもが何を信じてプレーすればよいのかわからなくなる場合があります。
例えば、コーチからは「積極的にドリブルで仕掛けよう」と言われているのに、親からは「もっと周りを見てパスを出しなさい」と口出しするとしましょう。すると、子どもはどちらの言葉を優先すればよいのか迷ってしまいます。
特に小学生のうちは、大人から言われたことを素直に受け止める子どもが多いため、複数の指示があると頭の中が整理できなくなります。
サッカーそのものが楽しくなくなる場合がある
親が毎回プレーについて指摘したり、試合後に細かくアドバイスしたりすると、子どもがサッカーを楽しめなくなる場合があります。
多くの子どもは、友達とボールを蹴ることや試合でチャレンジすることが好きでサッカーを続けています。しかし、プレーするたびに評価されたり注意されたりすると、「また何か言われるかもしれない」と感じながらプレーするようになってしまうのです。
その結果、失敗を恐れて思い切ったプレーができなくなったり、試合に行くこと自体が負担になったりするケースも考えられます。
▶︎関連記事:子どもがサッカーに対してやる気がない原因とは?親のNG行動や対処法を解説
サッカーで親が口出ししてしまう理由
親が口出しをしてしまうのは、決して子どもを困らせたいからではありません。むしろ「上手くなってほしい」「活躍してほしい」という愛情があるからこそ、つい言葉が出てしまいます。
親が口出ししてしまう理由には、以下のようなものがあります。
- 子どもに活躍してほしいという期待が強い
- 自分自身がサッカー経験者である
- ミスを見ると我慢できなくなる
- 周囲の保護者と比較して焦ってしまう
なぜ口出しが増えてしまうのか、それぞれの理由を見ていきましょう。
子どもに活躍してほしいという期待が強い
子どもに活躍してほしいという気持ちは、多くの保護者が持っています。それは、誰もが持っている自然な感情であり、悪いことでは決してありません。例えば、試合でゴールを決めたり、レギュラーとして出場したりする姿を見ると、親としてもうれしく感じるでしょう。
だからこそ「もっとこうした方がいい」「なぜあそこでパスを出さなかったの?」と声をかけたくなる保護者も多いと思います。サッカーはゴールや勝敗だけで成長するスポーツではありません。失敗を恐れずチャレンジしたり、苦手なことに取り組んだりする経験も大切です。
▶︎関連記事:子どものサッカーが下手でイライラ!その原因や気持ちの切り替え方を解説
自分自身がサッカー経験者である
親自身がサッカー経験者だと、どうしてもプレーが気になってしまいます。「自分ならこうするのに」「今はパスを出した方がよかった」と感じることもあるかもしれません。
実際、サッカーをやってきた経験があるからこそ、子どもに教えられることもあります。ただし、親と子どもでは経験値も違えば、置かれている環境も違います。
さらに、チームにはコーチの考え方や方針があり、親とコーチが別々のアドバイスをしてしまうと、子どもは「結局どっちをやればいいの?」と迷ってしまうでしょう。サッカー経験がある保護者ほど教えたくなるものですが、ぐっとこらえて見守ることも大切です。
ミスを見ると我慢できなくなる
子どもが試合でミスをすると、つい言いたくなってしまいます。「なんでそこでシュートを打たなかったの?」といった言葉が頭に浮かぶ保護者も多いと思います。
しかし、子ども自身もミスをしたことは分かっている場合がほとんどです。悔しい気持ちや反省する気持ちは、親が思っている以上に感じています。そんなときにミスばかり指摘されると、サッカーが楽しいものではなく、怒られないためにやるものになってしまうかもしれません。
サッカーは失敗しながら上達していくスポーツです。ミスよりも「最後まで頑張っていたね」と声をかけることを心がけてみてください。
周囲の保護者と比較して焦ってしまう
周りの子どもが活躍している姿を見ると、焦りを感じてしまうことがあります。「同じ学年なのに上手だな」そんな気持ちになった経験がある保護者もいるかもしれません。
特に少年サッカーでは、試合や練習を通して他の子どもの成長がよく見えます。そのため、知らないうちに自分の子どもと比べてしまうこともあるでしょう。
しかし、子どもの成長スピードは一人ひとり違います。今は目立っていなくても、数年後に大きく伸びる子どももたくさんいます。比べる相手は他の子どもではなく、昨日までのわが子です。少しずつでも成長している部分に目を向けてあげましょう。
サッカーで親がやりがちな口出しのNG例
親として応援しているつもりでも、知らないうちに口出しになってしまうことがあるでしょう。しかし、逆にその口出しがお子さんのやる気を損なわせているかもしれません。
ここでは、サッカーで親がやりがちな口出しのNG例を解説します。
- 試合中にプレーの指示を出す
- 試合後に車の中で反省会をしてしまう
- 動画を見ながらダメ出しをする
- 他の選手と比較する
当てはまる行動がないか確認しながら見ていきましょう。
試合中にプレーの指示を出す
試合中に親がプレーの指示を出してしまうと、子どもは自分で考える前に周りの声を頼るようになってしまいます。本来であれば、自分で周囲を見て判断する場面でも、指示を待つ癖がついてしまうかもしれません。
サッカーは自分で考えて決断するスポーツです。観客席からはプレーの指示を出すのではなく、「ナイスチャレンジ!」「頑張れ!」といった応援の言葉をかけるようにしましょう。
試合後に車の中で反省会をしてしまう
試合を終えたばかりの子どもは、うれしかったことや悔しかったことなど、さまざまな感情を抱えています。そんなタイミングで反省会が始まると、サッカーが楽しい思い出ではなく、評価される時間になってしまうかもしれません。
試合後すぐに改善点を伝えるよりも「最後まで頑張っていたね」と声をかけてあげた方が安心できます。車の中は反省会の場所ではなく、子どもがほっとできる場所にしてあげましょう。
動画を見ながらダメ出しをする
最近はスマートフォンで試合を撮影する機会も増えています。そのため、試合後に動画を見ながら振り返る家庭も多いのではないでしょうか。ただし「ここなんで動かなかったの?」などとダメ出しをしてしまうと、子どもにとって動画を見る時間が苦痛になってしまいます。
動画はミスを探すためではなく、成長を見つけるために活用することが大切です。「このプレー良かったね」と良い部分にも目を向けながら、一緒に振り返ってみましょう。
他の選手と比較する
子どもを励ますつもりで、他の選手の名前を出してしまう保護者もいるかもしれません。「〇〇くんはもっと走っているよ」このような言葉は、やる気を引き出すために伝えているつもりでも、子どもにとっては大きなプレッシャーになる場合があります。
サッカーは一人ひとり成長するスピードが違います。体の成長が早い子もいれば、技術が伸びる時期が後から来る子もいるため、今の時点だけを見て比較してもあまり意味はありません。
比べるなら他の選手ではなく、過去のわが子です。以前よりできるようになったことや成長した部分に目を向けてあげましょう。
サッカーで親が口出しをやめる方法
口出しをやめたくても、具体的にどう行動すればいいか迷う保護者の方も多いでしょう。サッカーで親が口出しをやめる方法には、以下の4つがあります。
- 観戦中はプレーを評価しない
- 撮影や応援に集中する
- 試合後すぐにアドバイスしない
- 子どもから相談されたときだけ意見を伝える
それぞれ具体的なやり方を紹介していきます。
観戦中はプレーを評価しない
試合中の保護者の声がけは、子どもの集中力やメンタルに影響します。「なんでそこでシュートしないの!」「もっと走れ!」といった言葉は、子どもにとってはプレッシャーとなってしまいます。
そこで意識したいのが、観戦中は評価する立場ではなく応援する立場になることです。プレーの内容を分析するのではなく、一生懸命走る姿や仲間と協力する姿を見守ることを意識してみましょう。「頑張れ」「ナイスプレー」と応援に集中することで、伸び伸びとプレーしやすくなります。
撮影や応援に集中する
試合中の口出しを減らしたいと思っていても、プレーを見ているうちに気付けばアドバイスをしていることもあるかもしれません。そんなときは、意識的に撮影や応援に集中してみましょう。
例えば、スマートフォンやカメラでプレーを撮影することに集中していると、自然と口出しが減ります。また、動画に声が入ってほしくないと感じる方も多いのではないでしょうか。そのため、口出ししたくても口出しできない状況をつくりだせます。
試合後すぐにアドバイスしない
試合直後の子どもはプレーの反省だけでなく、うれしさや悔しさ、達成感などさまざまな感情を抱えています。その状態で改善点ばかり伝えられても、話を素直に受け止められません。
保護者自身が子どものとき、スポーツや勉強に対して口出しされると「うるさいな」と思った経験がある方も多いのではないでしょうか。お子さんも同じ気持ちです。そのため、アドバイスをするよりも、安心して帰れる時間をつくることが大切です。
子どもから相談されたときだけ意見を伝える
子どもが自分から相談してきたときは、成長するチャンスです。なぜなら、自分なりに考えたうえで答えを探している状態だからです。そのため、親の話にも耳を傾けやすくなります。
反対に、毎回親からアドバイスをされていると、自分で考える前に答えを求める癖がついてしまうことがあります。子どもの判断力を育てるためにも、まずは話を聞き、相談されたときに意見を伝えることを意識してみましょう。
サッカーで親が子どもにかけるべき言葉
親が子どもにかける言葉で意識したいのは、「答えを教える」のではなく「考えるきっかけを与える」ことです。例えば、以下の言葉をかけてあげるのがおすすめです。
- 今日の試合で一番うまくいったプレーは何だった?
- 次に同じ場面があったらどうする?
- 相手はどんなことを嫌がっていたと思う?
- 自分では今日のプレーを何点だと思う?
- 次の練習で挑戦したいことはある?
このような質問には正解がありません。そのため、子どもは自分のプレーを振り返りながら考える習慣が身につきます。
実際、サッカーが上達する選手は、コーチや親に答えを教えてもらう選手ではなく、自分で課題を見つけて改善できる選手です。親は解説者になるのではなく、子どもが考えるサポーターになることを意識してみましょう。
現役コーチが感じる「伸びる子の親」と「伸びない子の親」の違い
私はこれまで多くの子どもたちを指導してきましたが、サッカーの成長には親の関わり方も影響すると感じています。もちろん上達するかどうかは本人の努力が大切です。
しかし、親がどのような言葉をかけるか、どのような姿勢で見守るかによって、子どもが伸びやすくなることもあれば、伸び悩んでしまうこともあります。以下では「伸びる子の親の特徴」と「伸び悩みやすい子の親の特徴」に分けて解説します。
伸びる子の親の特徴
もちろん全員に当てはまるわけではありませんが、私がこれまで指導してきたなかで、伸びる子の親御さんは以下のような特徴が見られます。
- 試合の結果よりチャレンジしたことを認める
- プレーの指導より応援やサポートに徹する
- 他の選手と比較しない
- 失敗してもすぐに口出しをしない
- コーチの考え方や方針を尊重する
- 子どもの話を最後まで聞く
- サッカー以外の時間も大切にする
特別なことをしているわけではありません。子どもが安心して挑戦できる環境をつくっている保護者が多い印象があります。
伸び悩みやすい子の親の特徴
一方で、なかなか伸びない子の親にも共通する傾向があります。もちろん以下の行動をしたから必ず伸びなくなるわけではありません。しかし、成長を妨げてしまうケースがあります。
- 試合のたびにプレーを評価する
- ミスをするとすぐにアドバイスをする
- 他の選手と比較する
- 結果ばかりを気にする
- 親自身が指導者になってしまう
- コーチより親の考えを優先する
- 子どもより親の方が熱くなっている
こうした関わり方が続くと、子どもは失敗を恐れるようになります。その結果、自分で考えて行動する機会が減り、本来持っている力を発揮しにくくなってしまいます。
子どものサッカーを本気で伸ばしたいなら「TORIDENTE」

子どものサッカーを本気で伸ばしたいなら、親がひとりで悩みながらサポートするのではなく、信頼できる指導者や環境を選ぶことも大切です。
「TORIDENTE」は、ストライカー育成に特化したサッカースクールです。シュートやドリブルといった技術だけでなく、オフザボールの動きや考える力の育成にも力を入れています。指導では答えを押し付けるのではなく、質問形式で子ども自身に考えさせることも大切にしています。
また、サッカー以外にも他のスクールにはない以下3つの強みがあります。
- Jリーガーと交流できるオンラインイベントを定期的に開催
- 強豪U15やU18チームへの進路紹介が可能
- スペインやドイツへのサッカー留学サポートあり
ここまで充実したサポートを受けられるのは、TORIDENTEならではの強みです。
また、実際にTORIDENTEに通い始めたことで、シュートの精度が変わったスクール生の様子を以下の動画に掲載していますので、ぜひご覧ください。
TORIDENTEでは、無料体験を随時実施しています。トレセン入りや強豪校入りなどを本気で目指しているお子さんは、ぜひお気軽にご参加ください。

